著作者人格権の侵害について



花「最後は著作者人格権の侵害について。著作者人格権というのは……。」

菜「(´・ω・`)」

花「だ、大丈夫よデモ菜!デモ菜でも分かりやすいように説明するから。」

菜「誠でござるか?信じるでござるよ、分からなかったら、何度も聞くでござるよ?」

花「いいわよ。私、この日のために丸1日勉強したんだから。どこからでもかかってきなさい。」

菜「まるいちにち……少なくはござらんか?」

花「気にしたら負けよ。」


花「まず作品を作ると、著作者には【譲れる著作権と譲れない著作権が生まれる】のよ。譲れる著作権というのは、楽曲を使う時に私に報告してねとか、いわゆる所有権みたいなものね。これは著作者が死んだあとも、保護団体がこの著作権を持っている場合があるわ。」

菜「いわゆる、拙者たちのよく知っている著作権といったところでござるな。」

花「そんな認識でいいわ。もうひとつの譲れない著作権のほう、これに著作者人格権が含まれていて、これは著作者しか持つことができないの。」

菜「譲れる著作権とは、何が違うのでござろう?」

花「譲れる著作権が所有権などを指すのに対して、著作者人格権は【作品に対する想い】の著作権なのよ。例えば歌詞を変えないで使ってねとか、非公開や未完成の楽曲は使わないでねとか。作品をどのように使ってほしいか、著作者がどう考えているか。その考え方を遵守するルールが著作者人格権なの。」

菜「うむ……。なるほど、違いはなんとなくわかったでござる。しかし姉上、著作権というものは、著作者の死によって消えるものなのでござろう?侵害していけないということは、この著作権は消えないのでござるか?」

花「そんなことないわ。著作者人格権も、消えるときは消えるわよ。それに他の著作権と違って、著作者の死亡と同時に消滅する。」

菜「それなら気にしなくて良いのではござらんか?」

花「そこがこの権利のややこしいところなのよ、デモ菜。確かに著作者人格権は、著作者の死亡と同時に消えるわ。でも、例え著作者が死んでも、著作者人格権を侵害する行為は、永遠にやっちゃだめって決まりなの。あくまで、この日本での話だけど。」

菜「つまり、著作者が歌詞を変えるなと言ったまま死んだら……。」

花「その楽曲の歌詞は、金輪際、永遠に替え歌をすることはできないわ。だって著作者本人が、嫌だって言ってた遺言だからね。」

菜「ふむ……。つまり、著作権が消滅している楽曲でも、守らなければいけないルールがある場合があるから、注意せよと。」

花「そういうことね。でもまあ、童謡とか民謡とか、著作者が不明な場合は、著作者人格権を気にしなくていいわ。誰が作ったかわからないから、どの著作者人格権を尊重すればいいかもわからないってわけ。でもまあ、どれが作者不明で、作者が分かってるならどんな著作者人格権があるのかなんて、調べないと分からないわ。だから、編曲する前にちゃんと調べてねって話。」

菜「なるほど。」

花「ちなみに、例えメロディーそのものの著作権が消えてても、日本語歌詞の著作権は消えてませんっていう曲もあるのよ。これには本当に気を付けて。」

菜「例えばどんな曲があるのでござろう。」

花「そうね。デモ菜の知っている曲だと、きらきら星とか、メリーさんの羊とか。」

菜「なんと!?拙者、気にせず歌ってたでござる!」

花「それは大丈夫なんじゃない?教育の場で歌うのは大丈夫とか、例外はあると思うわよ。多分。調べてないけど。でも、それを作品としてインターネットに公開したり、歌詞を引用するのはちょっとマズいみたい。例えばYoutubeに、無許可で、星がみんなを見てる系の日本語歌詞を使ったきらきら星を載せると、著作権にひっかかることがあるみたい。」

菜「そうなのでござるか……。そういった曲を使いたい場合は、どうすれば良いのでござろう。」

花「一番手っ取り早いのは、著作者人格権を侵害しない範囲で、自分で歌詞をつくっちゃうことね。それが難しかったら、著作権の消えてる歌詞を探すとか。例えば同じきらきら星でも、原作や英語版の歌詞の著作権は消えてるの。それをアレンジするのも、良いかもね。」

菜「なるほど、それなら拙者にも、DEMOTAが作れそうでござる。」

花「制作頑張ってね、応援してるわ。さて!これで今日の私たちの解説は終わりよ。お疲れ様。デモ菜、どうだった?」

菜「そうでござるな。DEMOTAのことも色々とわかったでござるが、それ以外の、よく利用規約で見かける項目についても勉強になったでござる。著作者人格権に至っては、初耳でござる。結論を言うと、楽しかったでござる!」

花「そう、それなら良かった。いいDEMOTAに出会って、デモッチをみんなに知ってもらえるといいわね。」

菜「そうでござるな、これからDEMOTA巡りが、楽しみでござる!」